
第80回山口大学医学祭
第80回医学祭の開催によせて

山口大学医学部保健学科同窓会
双樹会会長 岡野こずえ
今年の医学祭は、第80回をお迎えとの事、おめでとうございます。
80回の節目の年であることより、「医風堂々」をテーマとして医学部生の力強さで地域を盛り上げたいとの事、若く素晴らしい意気込みに賛同の言葉しかありません。
近年の社会の話題は、30年におよぶ低賃金問題、トランプ政権による関税問題とそれらから発生する物価高問題、世界に目を転じれば何年にもおよぶロシア・ウクライナ戦争、ガザ・イスラエル紛争、そしてイスラエル・イラク攻撃、どれを取っても私たちの生活を脅かす重大な問題ばかりです。
それと並行して、人々は自分が身体を動かさず快適な生活を送ることへの願望から、効率性を重視するコスパ・タイパばかりを追い求め、人の温かさや心遣いが介在しない無機質な社会を作っていった様に感じます。科学技術を生かした効率的な生活やビジネス、より便利で効率性を中心とした志向の展開は、医学の世界も大きな恩恵を享受しています。
しかし、医学の世界は、効率性のみを追求して良いフィールドでしょうか? 今回の医学祭のテーマ「医風堂々」は、「それだけでは駄目だよ!」との気持ちが根底にあるがために出てきたテーマの様に思えます。「効率化して得た時間」を「新たな医学・医療をつくり出す人としていかに使うべきか!」、この心が大切だと気づいた山口大学医学部学生達は今回の「医風堂々」をテーマにした!、 と一人合点して私は喜んでいます。
「大らかで温もりがあり包容力に包まれた心地よい医療現場」、「病める人々から信頼され慕われる医師・看護師・臨床検査技師」そんな医療人が山口大学医学部から生まれ育っていく校風。そこから宇部市、山口県そして日本、世界へと羽ばたく学生達の医学祭を私は心から応援しています。
最後になりましたが、今回の第80回医学祭が市民の皆様、卒業生、教職員および学生たちが将来に向けて躍進できる素晴らしい機会となることを心より祈念しております。